ほくベジ

自然の中での生活に憧れて穴水へ移住 農薬散布ゼロの栽培方法で、野菜を通して人の健康を支えたい

中田 北斗さん[代表]


微生物で育った野菜を全国配送

穴水町の自家農園で無農薬栽培した野菜を、インターネット上で販売する事業をしています。ジャガイモやナスなどの定番野菜からちょっと珍しい野菜まで幅広く栽培しており、その中からお手頃サイズの旬の野菜を10種類ほど厳選し、ご自宅へお届けしています。SNSで畑の様子やレシピを投稿し、梱包時には調理方法を書いた手紙を同封するなど、穴水という土地と今の時代に合った方法でPRにも工夫を凝らしています。購入してくれた人が料理のレパートリーを増やすきっかけになればいいなと思っています。
無農薬野菜と言っても僕が行っている栽培方法はかなり特殊です。畑では化学肥料や農薬を使わない代わりに地域から出る有機資材と土壌微生物を使って野菜を作っています。土壌微生物は土の中で繁殖する微生物で、作物の生育に重要な役割を果たすことで近年注目されています。ヒトの腸内細菌の多くは土壌由来と言われています。一般的に流通している野菜の多くは化学肥料で育っているため、微生物を体内に取り込む量が少なくなっています。栄養価や味ももちろん大切ですが、+αで身体に良いものを提供し、人々の健康を支えたいと思っています。

Web関係の知識を活かして能登に携わる

昔から自然の中で過ごすことが好きで田舎生活が憧れでした。サラリーマン時代、たまたま穴水町でリモートワーク講座に参加したことが好機となり、令和元(2019)年に大阪から移住しました。農家を始めたきっかけは田舎体験シェアハウス事業を通して地元農家さんとの関わりができたこと。家庭菜園で実験したキノコ菌を使った栽培方法で、土や野菜が変化していくことに魅了され、農家として独立を決意しました。
販売をネットに特化しているのは、マーケティングやWeb制作などの実践経験を活かせるからです。自作のホームページやSNSを活用することで、商品を求めている人に直接PRできる点が強みだと思います。また、最近は、自分の能力を農業以外の分野でも副業的に組み合わせることで、冬がきびしい能登という地に合わせた仕事ができていると感じています。

農業の枠を超えてチャレンジ

まだまだマイナーな栽培方法ですが、今後は地域の有機資材や廃棄物などをもっと上手く組み合わせて美味しい作物ができることを証明し、多くの人に環境に優しい野菜作りを伝えられればと思っています。地域の栽培方法を全部変えていくのは難しいですが、一つのやり方としてこの地域に定着するまでチャレンジしたいです。他の人も農作に取り組みやすい環境になればいいなと思っています。これからも環境に配慮した活動を続けていきたいと思っています。

ほくベジ

■ 住所/〒927-0221 石川県鳳珠郡穴水町曽良リ-13
■ TEL/090-3622-0562
■ 代表者/中田 北斗
■ 創業/令和4(2022)年
■ 業務内容/一般家庭向けのセット野菜販売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります