株式会社 モミジグループ

和食と洋食の専門店を次々に開店、能登直送の食材で本格派の料理を提供

奥野 太一さん[代表取締役]


飲食業にやりがいを見つけた衝撃的な出会い

私は正直なところ、かつては飲食業が嫌いでした。なぜなら実家が輪島で民宿・割烹を営んでおり、中学、高校とクラブ活動に一生懸命になっている頃、疲れて帰宅してもご飯が無く、手伝いに駆り出され、後片つけが終わるのがいつも11時でした。それからご飯を食べ、風呂に入る生活で、「何で私だけが」といつも思っていました。さらには高校を卒業すると家業を継いでほしい想いから父に無理矢理、和食の店へ修行に出され、給料も安く休みもないありさま。いつまでこんな生活が続くのかと思い、何度も辞めたいと思っていました。 何とかしなければと考えても「食」の道しかすることがなく、それならジャンルを変えてみるのも方法かと思いフレンチの世界へ飛び込みました。そこでは、今までになかったマスターの人生観と情熱が食を通してお客様の笑顔に繋がっている何とも言えない嬉しさを感じ、壁にぶつかっていた自分は感動してしまいました。その店「シェ・ヌゥ」で修行した3年間は私を変え、そこでの衝撃的な経験により、飲食業の世界で頑張っていこうと心に決めました。  今思うに、この仕事の一番良いところは、多くの人と出会えることです。また「食」は直接口に入れるもので、その人自身の活力になるものだから身近で大事だと思うんです。だから大いにやりがいがあります。

ふるさと能登で1日3組限定のこだわりの宿を営むのが夢

様々な修行を終え、そろそろ自分の店を持ちたいと思ったのは29歳。早くも遅くもない今だと思い店舗を探しました。1店舗目となる「花もみじ」(金沢市元町)は、元々割烹屋さんで、私が借りる10年以上前から空き家で、立地条件も悪い。しかし、自分のイメージにピッタリの一戸建てで、駐車場スペースもあったので決断しました。もみじが好きで、季節感もあるし、お店をするなら「もみじ」を付けたいとずっと思っていたので店名を「花もみじ」としました。  最初の2ヶ月間は本当に大変で、お客様が全く来ない日もありました。ある情報誌に無料広告を掲載したのがきっかけで、雑誌やテレビ番組の取材を受け、徐々に忙しくなりました。今ではモミジグループとして、金沢で和食2店舗、洋食2店舗計4店舗を経営するまでになりました。それぞれの食にこだわり、本格的な料理を提供するのは専門店にしか出来ません。和食は「花もみじ」、「喜はな」(堀川町)で、洋食は「TableNICO」(ポルテ金沢地下1F)、「Table7nana」(堀川町)で営業しています。さらに今年4月には主計町茶屋街で、5店舗目となる和食の「いち凛」がオープンする予定です。  今では輪島の父にも色々なところで支援してもらっています。父から毎朝獲れた魚介が届き、米や野菜、調味料まで輪島産を使っています。今の私の夢は、厳しく育てられた父と同じ道をと思い、生まれ育った能登で1日3組限定の宿を営むことです。夜にはフレンチを取り入れたご飯、朝には近海で釣った魚を提供できたらいいなと思います。  私の信条は、辛い日々がつづいたからこそ「前しか向かない」です。過去を振り返らずに前だけ見て頑張って行こうと思います。

株式会社 モミジグループ

■ 住所/〒920-0847 石川県金沢市堀川町6-9
■ TEL/076-254-5187
■ 代表者/奥野 太一
■ 創業/平成20(2008)年
■ 法人化/平成26(2014)年
■ 業務内容/飲食業(和食・洋食等5店舗経営)

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります