有限会社 森本金網製作所

超極細の金属糸で作る精密フィルター、職人技が期待に応える

森本 陽介さん[代表取締役]


外国製品との差は職人技

わが社は超極細の金属糸で精密なフィルターを製造する会社です。身近に使用されている製品として、目にすることはあまり無いかもしれませんが、自動車のオイルフィルターやエンジンのミッションフィルターに使われています。ほかにスクリーン印刷用マスクの金網も手がけています。一番細いもので13ミクロン(髪の毛の7分の1)、一番太いもので170ミクロン(髪の毛の2倍)の金属糸を編んで製品に仕上げています。  機械は繊維の織機と見た目は同じように見えますが、微妙なセットの仕方でお客様のニーズに合った製品に仕上げることができます。しかし、すべて機械任せで出来るものではなく、金属糸をねじって繋ぐ作業や機械の調整は職人技が必要です。  職人の目と耳で、金属糸が切れた時、線のカール(巻付き)による欠陥を判別することができ、同じメーカーで同じ金属糸を使っていてもテンション(抗張力)の数値が変わる時の対応など、最後の拠り所は職人の感性しかありません。教えてできるものでもなく、長年の経験と実績で培った職人技と機械が合致して、期待に応えられる製品が作られています。  期待に応える製品を納品し続けて40年。最近、日本に1台しかない機械を導入しました。誰にも出来ない仕事を強みに、他の仕事も取込み、差別化を図り受注を増加させたいと思っています。そして、何よりも人材の育成、つまり職人を育てることに力を入れていきます。外国製品との差は職人技しかありません。3年後、10年後を見据えて「職人技」に磨きをかけていきたいと思っています。日本で、わが社しか出来ないとなれば外国へも行きます。簡単なものはどこでも作れますが、難しいものに挑戦していれば、わが社の発展にもなると思って仕事に取組んでいきます。

3つの夢を持って会社経営を

父が昭和47年に創業し、平成11年に私が内装業の仕事を辞め、7年間手伝いながら、平成18年に代表に就きました。その7年間で学んだこと、考えたことは、経営者は「仕事の夢」、「家庭の夢」、「趣味の夢」の3つの夢を持つことが必要です。夢を持てば、叶えたいと願います。叶えたいと思えば創意工夫が生まれ、叶えられれば自分が幸せになり、社員にもこの幸せを与えることができると思い、それはきっとお客様にも繋がるはずです。  また、夢を一つひとつ実現していくことがその人の器を大きくしていく事に繋がります。社員みんなの器が大きくなれば会社も大きくなると信じています。そのためにも私自身が夢を追い続け、学ぶことを忘れず前を向いて進んでいけば必ず従業員も幸せにでき、従業員の家族までも、そしてお客様にも繋げたいと思います。

有限会社 森本金網製作所

■ 住所/〒929-1635 石川県鹿島郡中能登町高畠ウ154
■ TEL/0767-77-1448
■ 代表者/森本 陽介
■ 創業/昭和47(1972)年
■ 法人化/昭和60(1985)年
■ 業務内容/各種金属製網の製造・加工・販売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります