ワインバーシャトーシノン　ワインスクールル・サロン・ド・シノン

金沢・北陸にワイン文化を広めたい。27歳で県内最年少のソムリエ試験に合格

辻健一さん［代表］

世界中のワイン800種を扱う

私は片町でワインバーを経営しています。店の名前は「シャトーシノン」。フランスに初めて行ったロワール地方に、シャトーシノンというお城がありそこから命名しました。
現在、世界中のワイン800種類を扱っています。ワインセラー6台に、それぞれ中に入れるワインによって温度を変えて保管しています。店のオープンは平成20年2月、同年10月からはワイン教室、中国茶教室、チーズ教室も開設して現在に至っています。平成22年にはソムリエの受験対策講座も始め、平成25年には、クラスも11クラスに増え生徒数も100名となりました。
実家が自営業であったことから、子供の頃からずっとサラリーマンになることが夢で、それも旅行会社に憧れていました。地元の高校を卒業した後、静岡県内のホテルで働きながら念願の旅行関係の専門学校に進学しました。その働き先であるホテルのフランス料理店に配属されたのがフレンチやワインとの出会いでした。そこの従業員達は皆勉強熱心で、営業が終了してから定期的にワインやチーズの勉強会をしたり、フランス料理を食べにいったりしていました。その時にこれまでの夢であった旅行会社を諦め、フレンチを勉強しホテルで働きたいとの思いが芽生えてきました。
静岡での2年間があっという間に過ぎ、地元金沢へ帰ってホテルに勤めたところ、フランス料理店に配属となりました。これまで料理に合うワインを勉強していたことから、ソムリエの試験を受けることになり、先輩とたまたま試験を受けたところ受かってしまったのです。当時は27歳で県内では最年少でした。最年少のソムリエということでもあったのだろうと思いますが、お客様からワインに関する質問を受け、知識を試されているようでしたね。

いろんな資格を取ろうと努力を続ける

その後、フランス料理店の起業に関わったり、中国料理店での接客等を経験していたある時、ふとワインについて自分を高めよう、知識をもっと深めようという思いが芽生え、大阪のワインスクールに通うようになりました。それまでは独学でしたから、私よりも、若い生徒の知識が豊富でコメントも上手いことに危機感を覚え、本格的に勉強をするようになりました。そこでいろんな資格をとることで自分を追い込んでいこうと決め、毎年1つか2つの資格を取るようになってこれは今でも続いています。これまでに20あまりの資格を取得し、変わったところではビール検定や日本茶の検定も取りました。
その後、中国茶教室を始めるようになったのですが、ある日、生徒からソムリエなのになぜワイン教室をしないのかと言われ、ソムリエとしての本業であるワイン教室に生徒が集まらなかったらどうしようとの不安があったので、痛いところを突かれた思いでした。そして平成17年にワイン教室を始めて順調にきていたのですが、ある日、父親が若くして他界したのを見て、「一度の人生、悔いのないように送ろう。やりたいことをやって結果が出なかったら、又、サラリーマンに戻ればいいや」と気持ちを切り替え、ワインバーを平成20年に開業したわけです。そして平成25年9月に、バーの3階にワイン教室を再開しました。
ワインは全て自分の舌で確かめて美味しいと思ったものしか提供しません。私としてはお客様から楽しかったよと言われるのが嬉しく、楽しい雰囲気づくりを心がけています。単にハッピーでなく仕事の疲れがとれたとか、心や体が癒されるとか、しばし現実から解放されるという空間を感じてもらえればいいと思っています。店舗に関しては増やす気はありません。増やしたいのはワインが好きな人や、ワインユーザーであり、金沢や北陸におけるワイン文化を広めていきたいです。これが夢です。