あんがとう農園

世界1周を機に独学で野菜の栽培方法を確立。自然栽培、完全無農薬、無肥料栽培へのこだわり

明星 孝昭さん[代表]


注文に生産が追いつかず栽培面積を2倍に

あんがとう農園のあんがとうは「ありがとう」という意味です。うちの農園で出来る野菜を食べてもらって皆さんに幸せになってほしいとの思いを込めて付けました。僕はもともと美容師で、その仕事は自分に合っているし、嫌いではなかったのですが、世界の国を含めいろいろなところを見て視野を広げたいと思い、22歳の頃に辞める決心をしました。
オーストラリアとニュージーランドには4年半、韓国には1年半いて、オーストラリアやニュージーランド在住の時には、安い宿に泊まりながら野菜の収穫の仕事に就いていました。お金を貯めながらの生活は現地ではポピュラーで、その後、世界を1周して帰国しました。帰国後、農業と田舎の良さに気づき、故郷で世界中の野菜を育てたいと思ったのです。
海外での様々な経験は、今の農業にとても役立っています。もっと農業の勉強をしたいと白山市の農園へ稲作を習いに行ったのですが、そこで自然栽培に出会って、目指す農業は米じゃないと思い、その後、独学で野菜の栽培方法を確立しました。
現在、栽培面積1.2haで、年間300種類の野菜を自然栽培、完全無農薬、無肥料栽培で育て、一部肥料にこだわった有機栽培も行っています。現在、栽培面積が足らず、注文に生産が追いつかないことから、今年中に栽培面積を現在の2倍にするつもりです。

野菜栽培は原産地と同様の土壌作りから

うちの野菜は、化合物質過敏症や動物性アレルギーの人でも安心して食べられると言っていただいています。化学肥料は人工的に作られたものですが、有機肥料とは天然のものから作られたものをいいます。
無肥料でも野菜は育ちます。畑へ来て野菜を見てもらえばわかりますが、肥料を与えるから土のバランスが崩れ、それで虫がつきます。朝晩の水やりは野菜を弱くするので、水をやらないようにしています。畑にも水は必要ないです。一部の野菜においては様子を見て水をやる野菜もありますが、この時に使う水は山水です。基本的には水はやりません。
一番大事なことは、放ったらかしではなく、育つ環境を整えてあげるということです。野菜にはそれぞれに原産地があり、その野菜の原産地と同様の環境を作ってやることによって、病気にならず育ちます。だから私が手がける野菜は、環境をそれぞれの原産地と同様に整えて栽培しています。この辺の土壌でもいろいろな原産地の野菜に合った土壌は作れます。
僕の作る野菜は、伝統野菜、変わった野菜、カラフルな野菜、海外の野菜などで、普通の野菜は作りません。普通の野菜は家庭菜園でも作られており、面白みがないからです。
今度、海外を巡る機会があったら、市場やレストランに行きたいと思っています。なぜなら、勉強になるからです。どういう野菜が売られているのだろうか、どんな味がするのだろうとか、どういう環境で育っているのだろうかなど。それを知るため、ぜひ、時間があればもう一度海外へ行ってみたいです。

あんがとう農園

■ 住所/〒929-1604 石川県鹿島郡中能登町能登部下53-34-5
■ TEL/090-3766-1817
■ 代表者/明星 孝昭
■ 創業/平成24(2012)年
■ 業務内容/自然農法(無農薬、無肥料)と有機農法で野菜栽培・加工販売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります