株式会社 米屋

用途に合わせた精米をする県内唯一の工場を保有
寺子屋の授業料のお米が商売の始まり

魚住 正栄さん[代表取締役]


生産者に用途が異なるさまざまな米をつくってもらう

江戸時代の終わり頃に分家をして私で5代目になります。分家をした当時は寺子屋をしていたそうで、昔は百姓のお子さんに読み書き算盤を教え、その授業料がお米だったわけです。当時、米には貨幣価値があり、そのお米で商売へと繋がり、今の米屋の始まりとなりました。
もともとは屋号で「ようや」と名乗っていました。そして4代目の時に魚住商店と名乗り、私の代に「米屋」とし、昭和49年に法人としました。以前は、旧北国街道沿いにお店兼工場があったのですが、道路拡張で移転することになり、代替地が偶然、現在の稲荷1丁目88番地と、お米に縁のある場所が見つかり移転しました。
事業内容ですが、生産者の方に、用途が異なった特別なお米をつくってもらい、集荷してそれを一時自社倉庫に保管します。その保管した米を、倉庫業の方にお米に合った環境で保管をお願いし、それを当社で毎日精米してお客様に届けています。届け先は、業務用では飲食関係、給食、ホテル関係等に納めています。うるち米ともち米を大きく2つの業態に分けて使っています。1つは、試食するご飯と餅にしたり、お菓子にしたり、あるいは煎餅(せんべい)にしたりしています。もう1つは、加工用で、例えばかぶら寿司のもとになる 糀(こうじ)のお米などに提供させてもらっています。

今日、明日と求めるものがなかったら進歩はない

お客様の要望に応えた結果、用途ごとに合うお米が生まれました。例えばお寿司屋さんであれば寿司に合うお米とか、丼屋さんであれば丼に合うお米とか、それぞれ専門分野に応じた商品を提供しています。田んぼの状態を良くしてお米をつくってもらい、加工して精米して口の中に入るまでを考えて提供することをモットーにしています。
当社では精米工場を保有していて、農家さんからお米を仕入れて当社独自の技術で用途に合わせた精米をしています。精米工場の環境を整えたり、精米の方法をちょっと変えたり、熟成精米などもしています。もう一つはマイナスイオン精米ということで、これを研究している人と一緒になって、精米の環境をどうすればよいのか、その勉強を30年考えながらしてきています。このような設備を持っているのは、県内では唯一当社だけです。
従業員は11名です。商売に関しては「求める」ことが大事だと思っています。現状に満足せず常に「求める」こと。例えば自分を変えることを「求める」こと。昨日していたことよりも、今日、明日と「求める」ことがなかったら進歩がないと思います。また、おはようございますと言う「心」。はいと言う素直な「心」。すみませんと言う反省の「心」。わたしがしますと言う積極的な「心」。有難うございますと言う感謝の「心」。おかげさまでと言う謙虚な「心」。この6つの心をもって、これからも商売に当たっていこうと思います。

株式会社 米屋

■ 住所/〒921-8805 石川県野々市市稲荷1-88
■ TEL/076-246-6000
■ 代表者/魚住 正栄
■ 創業/明治初(1868)年
■ 業務内容/玄米・精米の小売、卸売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります