味楽 ゆめり

小さい頃から料理で人を喜ばせたかった
朝競り落とされた魚をその日に提供

前田 衛さん[代表社員]


修行を重ね念願かなって29歳で独立開業

金沢の駅前で居酒屋「味楽 ゆめり」を営んでいます。出身は「あばれ祭り」で有名な能登町宇出津で、高校を卒業して1年間調理師専門学校で料理の基本を学び、その後金沢の和食専門店に就職しました。その後、30歳までの独立を目指し、金沢の居酒屋や割烹など4店舗で修業を重ね、念願かない29歳の時に独立をしました。
料理の道を志したのは、小学生の頃で、当時両親が共働きで、お腹がすいた時自分で野菜炒めを乗せた独自のラーメンを作ったりしていました。ある日、夕飯のお手伝いをしていて、母親にかわり、ちょっとしたご飯のおかずを作ったのですが、祖父や祖母から「旨いわ」と喜んでもらい、料理を作ることの楽しさと喜びを知ったのが大きなきっかけでした。
その後ずっと、料理を通じた仕事をしたいとの思いを、何かしらの恥ずかしさからか、人に言えずにいたのですが、高校3年の時、夢をかなえるためにも思い切って、自ら調べて調理師専門学校に進学することに決めました。とにかく料理で人を喜ばせたいという思いが強かったのです。
店名の「ゆめり」の由来は、割烹料理店でアルバイトをしていた時、毎日の接客が楽しく格好良く思え、また当時の親方からいろいろな料理や自分の経歴を聞かされ、益々この業界に憧れ、いつかは独立をしてお店を持ちたいと思うようになりました。お店を持つ「夢(ゆめ)」を見ていました。今思うにして、夢は一人ではかなうことができず、人を思いやり、また周りの人の輪(わ=りん)を大事にし、周りに助けてくれる人や仲間がいたからこそ独立開業できたと思います。人との絆、初心を忘れない意味もあって、「ゆめ」と人の輪「りん」から「ん」をとって「ゆめり」としました。

お酒も能登の地酒にこだわり取り寄せ

何といっても当店の看板は能登の魚介です。地元が能登の宇出津という強みを活かし、独自のルートで仕入れています。朝7時に宇出津漁港で競り落とされた魚介を、その日の営業に間に合うようにすぐさばき、それをどこよりも美味しく、鮮度にこだわって提供しています。そんな魚介を一層引き立てるのが、同じく能登の珠洲市と能登町から取り寄せている五つの蔵の地酒です。特に能登町の酒蔵さんには、普通酒と純米酒と吟醸酒の3種類を混ぜてもらいオリジナル酒「ゆめり」を造ってもらうなど、能登の食材をお客様に提供しています。
今は、店舗を増やさずにこの店だけでやっていこうと思っています。一度に店舗を増やすことは、目が届かずかえって店の評判を落とすことになりかねません。私は、さらに良いサービスを提供し、安定した満足をしていただける体制を整えていくつもりでいます。
当たり前のことを当たり前のようにやり、店の質を高めていき、能登の魚や能登の酒を知っていただければと、店名の意味と違った「ゆめり」を抱いています。能登の方にも足を運んでいただきたく、心からお待ちしています。

味楽 ゆめり

■ 住所/〒920-0853 石川県金沢市本町1-3-33
■ TEL/076-255-3999
■ 代表者/前田 衛
■ 創業/平成21(2009)年
■ 業務内容/料理店

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります