中村製畳 株式会社

曾祖父の代からおかげさまで来年創業100周年
正直に気持ちを込めて要望に応える安心安全の畳を製造

中村 豊嗣さん[代表取締役]


「職人(しょくにん)商人(あきんど)になりなさい」という祖父の言葉が原点

大正7年創業、来年100周年の節目を迎えます。曾祖父が事業を興し、私で4代目になります。創業当時は、畳の芯に使う「畳床」を製造し日本全国へ卸していました。当時の能登地方は稲作が盛んで、良質のワラが豊富にあったのが創業のゆえんだと聞いています。
私は、小学校・中学校・高校を地元羽咋で過ごし県外の大学へ進みました。家業は継がないと思っていたので、接客が好きなことからジーパン屋に就職しました。その間、ほかの人が作ったものを売るのでは面白くない、自分で「製造から販売まで手掛けたい」という思いが芽生え、それなら家業の畳屋を継ごうと考えました。2代目の祖父からは、畳作りも営業も出来る「職人商人」になりなさいと言われ、「物を作るだけじゃなく、作れて売れるから良いのだと」、この言葉が家業を継ぐ原点になったのかもしれません。
現在の畳は、吸湿性・放湿性・防水性・撥水性・耐久性・断熱性・防虫性など機能性が高く、カラーバリエーションも約30色と豊富でお部屋のイメージに合わせて選べます。個人のお客様が畳を入れ替えする際の一番多い理由が、ご出産の準備やお孫さんの顔見せです。古いままでは赤ちゃんやお母さんに良くないと畳や襖を新しくされます。私どもでは、畳や襖のほか、障子・窓枠・カーテン・ブラインド・クロスなど、お部屋に関するいろいろなリフォームにも力を入れています。特にこだわっているのは、お客様の要望にお応えすることです。アレルギーでお困りの方、廊下やフローリングに畳を敷きたい方、茶室を作りたい方など様々です。アイテムは豊富でお客様のご要望・環境・条件などをよく吟味してベストな商品提案をするよう常に考えています。

時代とともに畳のニーズも変わる

北陸新幹線開業効果により旅館やホテルからの畳需要が旺盛です。外国人観光客の増加や、日本人観光客でも旅行の時こそ普段と違う環境を求める傾向があり、和室から先に予約が埋まると聞いています。時代とともに畳のニーズも変遷してきており、海外からも和室のニーズがあります。ニューヨークにも畳屋さんがあるのですが、予約が一杯で半年待ちの状況だそうです。県内業者も海外で日本庭園をつくるために現地へ出向き作業をしています。私も事業を任せられる後継者を育て、海外で仕事をするのが夢です。この夢がかなえば、私の職人人生は本望です。
当社は、熊本県八代の「い草生産農家」と全国の畳業者16社で作る「畳屋道場」に加盟しています。現在、畳表の9割が中国からの輸入品で、残り1割が国内産です。その国産のほとんどが八代で生産されています。「国内産い草」を守るため生産農家と畳業者が共同で、い草の植え付けや刈り取りを行っています。お客様に生産者が分かる畳をお使い頂くことで、安心と安全をご提供する、そんな想いで今日も正直に畳を作っています。

中村製畳 株式会社

■ 住所/〒925-0015 石川県羽咋市大川町1-25
■ TEL/0767-22-1158
■ 代表者/中村 豊嗣
■ 創業/大正7(1918)年
■ 業務内容/畳製造、内装一式(襖・障子を含む)

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります