串滿斎やきとり家竹松

脱サラして父の興した焼き鳥屋を継ぐ
旨さを追求して素材、タレ、焼きにこだわる

小野真生人さん［代表］

焼き鳥に合う「桜姫鶏」と「阿波尾鶏」を使用

小さい時から親の跡を継ぐものと思っていました。しかし、いざ就職を決める時に、安定した仕事が良いのではと考え、精肉卸業に就職しました。子供が生まれた時はこれで良いと思っていました。その後、親の老いが目立つようになり、私の方はある程度余裕が生まれてきたことから、父の築いたお店を盛り立て、父の書道展示もずっと残したいと思い、父の店「やきとり竹松」を継ぐ決意をしました。
当店は国産の鶏肉の「桜姫鶏」と、もう一ランク上の「阿波尾鶏」を使用しています。この肉を選んだ理由は、四国や九州の焼き鳥店を巡り、名古屋コーチンなどの地鶏も食べましたが、阿波尾鶏を食べた時に、硬すぎず、ブロイラーより味わいがあり、焼き鳥に一番合うと思ったからです。桜姫鶏はビタミンが豊富で鶏の臭みがなく、焼き鳥に適している鶏肉です。焼き方は炭火で、表面を一度さっと焼き上げ、次に炭火を弱くして再度焼き上げる二段階にしております。二段階に分けることで肉の甘みが凝縮され、炭火の香りも付きます。
塩は、輸入した塩に沖縄の海水で仕上げた塩をブレンドして、タレは、父の代から受け継いでいる60年前からの秘伝のタレを使用しております。昔から変わらぬタレの味を求めて来られる常連のお客様も多いです。焼き鳥以外にも「から揚げ」、「手羽先」、「から味噌のホルモン」にも力を入れており、辛揚げはダシにこだわり、手羽先にはピリ辛タレを使用しています。ホルモンは九州の鹿児島産の直腸と大腸の間の部位に厳選したシロを使い、オリジナルの辛味噌タレで調理しております。
焼く物は鶏にこだわらず豚、牛などのサイコロステーキもあります。飲み物は一般的な物以外にスムージー酒のカクテルがあり、カロリーが低くダイエット中の方にも人気です。焼酎は、鹿児島産プレミアム芋焼酎の赤兎馬や富乃宝山がありますし、お酒が飲めない方にはドリンクバー他、ノンアルカクテル18種類も3月より追加となっております。

書道の雅号を持つ父の書や色紙を店内のギャラリーに展示

従業員は現在7名です。従業員にはお客様から呼ばれたら他の仕事より優先すること、お客様への笑顔を忘れないことを言い伝え、お客様第一を徹底しております。お客様が安らげる居心地の良い場所の提供、アットホームで気分よく食べて頂ける雰囲気作りをしております。焼き場と店内は別れており、煙臭くなく、店内には父の書いた書道、人情味のある色紙があり、堅苦しい雰囲気はありません。最近では顧客の滞在時間も長くなってきており、飲み放題の延長もよくあります。平均で2時間ぐらいです。
お店のギャラリーには、父の書道2万枚の中から選りすぐりのものを展示しています。父は書家の雅号で「箽波」を頂いており、私は現在、師範免許を持っていますが、雅号がありませんので父を目指して勉強中です。
今後もお客様から信頼していただき、喜び、感動、満足を味わっていただけるお店づくりを目指してより一層努力をしていきます。