そば切りげん

平成の名水百選「藤瀬の霊水」を使い本物の蕎麦を追及
挽きたて・打ちたて・茹でたてがモットー

渡邊元三さん［店主］

蕎麦好きが高じて脱サラして店主に

七尾市中島町の平成の名水百選に選ばれた「藤瀬の霊水」の近くで、自宅の半分を使い蕎麦の店「そば切りげん」を営んでいます。蕎麦を切るところから、そば切りとし、私の名前の元三の元の字を取って「そば切りげん」としました。
もともとは、サラリーマンをしていたのですが、蕎麦好きが高じて平成15年に開店しました。蕎麦の打ち方は、よく食べに通っていた蕎麦屋のご主人に頼みこみ、念願叶って繰り返しご教授いただき、何とか開業に漕ぎつけました。「そば切り多門」さんのご主人にただただ感謝です。
店は、中島の市街地から少し離れた山間部（県道中島富来線の沿線）にあります。ここを選んだ訳は、私が「藤瀬の霊水」を汲みに来た折には、こういう静かなところに憧れ、環境がすごく良く、心が癒されるところに惚れ、この地に出店しました。6月には蛍も飛び交う本当に良いところです。

石臼で丹念に手挽きされた絶品の手打ち蕎麦

「本物の蕎麦とは？」。石臼を挽きながら自問自答をしております。これは永遠のテーマであります。ただ、お客様から美味しいと喜ばれたり、遠方から足を運んでいただけることをことさら嬉しく思い、蕎麦づくりに日々励んでいます。
当店は小麦粉が二割、蕎麦粉が八割の「二八そば」で、特徴はまろやかでコクがあります。そばつゆは試行錯誤でつくり上げた「特製オリジナル出汁」で、白髪ネギの切り方にも工夫をし、白い貴重な部分だけを使い、ネギ1本の6分の1しか使えず、それを細く切り氷に漬けてさらしてからお出ししています。メニューは、「ざるそば」「おろしそば」「とろろそば」の3種類で私の打つ「二八そば」によく合います。そしてもう一つの自慢メニューが「そばがき」です。つるりと滑らかな食感と豊かな香りが特徴です。
蕎麦は、通常1日限定25食です。予約があればそれ以上に打ちますが、手挽き、手打ちで行いますので、それでも最高45食が限度です。「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」の3つのたてをモットーにして、お客様に美味しいものを提供し、付近の山で採れる草花を生けて落ち着ける雰囲気の中で、癒されていっていただきたいと思っています。
近年、能登空港を利用して東京から来られるお客様や、京都や富山からのお客様が増えています。当店の蕎麦を目当てにわざわざ遠方から足を運んでくださっています。これからも「平成の名水百選」に選ばれた「藤瀬の霊水」を使い、手挽き、手打ちの蕎麦づくりに一心不乱にまい進したいと思っています。