FLATT’Sふらっと

絶景と能登イタリアンのもてなし
能登らしさにこだわる1日4組限定の宿

ベンさん[夫] 船下 智香子さん[女将]


海越しに3000m級の山々が見える世界でも珍しい場所

「ふらっと」は能登町矢波の高台にあります。目の前には日本海が広がっていて、対岸には3000m級の山々がそびえ立つ立山連峰が見渡せる時もあります。海越しに3000m級の山々が見える場所は世界でも珍しいそうです。お部屋やダイニングルームからは、毎日いろいろな表情の能登の海を楽しむことができます。
ふらっとの敷地は、2000坪あり、平屋の建物の周りは雑木林、敷地内にはいろいろ果樹が植えられており、小さな畑では無農薬で野菜も育てています。庭には小さな貸切露天風呂(4月から10月のみ)もあります。春には野鳥が飛び交い、夏には流れ星が見え、秋は紅葉、冬は雪景色と四季が楽しめます。
ふらっとの楽しみの一つはお食事です。夜はオーストラリア人の主人がつくる能登イタリアン。朝は伝統的な能登の食材や畑の野菜を使った手づくりの能登らしい朝ごはんです。夜の能登イタリアンは自家栽培の野菜や能登の地元の魚で、主人がその日のお魚を見てメニューを決めます。ソースやドレッシングなどに、自家製の「いしり」を使うこともあります。いしりは能登に伝わる魚醤油で、日本の三大魚醤の一つです。三大魚醤の中でも能登町に伝わるいしりは、日本で唯一いかの内臓と塩だけでつくり、うま味成分が最も多い魚醤油です。私の父が唯一いしりづくりでふるさとの匠に選ばれていますし、私たちが引き継いでつくっているいしりは世界農業遺産実行委員会の「能登の一品」にいしりでは唯一認定されています。
お食事は能登の食材、珠洲の天然塩やいしりなどの調味料のほか、輪島塗や珠洲焼を使うこともよくあります。田舎の小さな宿ですから、1日4組様限定でのんびりと能登らしさを楽しんでいただけると思います。能登の暮らしを垣間見ることによって能登を近くに感じてほしい、能登の良さを知ってほしいという気持ちで、また、何よりも、お客様にはのんびり、ゆったり気持ちよく過ごしていただけるように心がけています。

親の志を受け継ぎ伝統の技術を次代に渡したい

ふらっとを始めて今年で20年になります。料理はイタリアンですが料理の中心にあるのは能登の伝統であり、食文化そのものです。イタリア料理がその土地の風土や伝統を色濃く反映するものであるということイコール能登らしさにこだわるという姿勢は、開店当初から変わっていません。いしり、こんかいわし、ひねずし、かぶらずしなどの発酵食や鰹節や梅干し、干し柿など親から教わった伝統食を毎年季節ごとにつくっています。
親は「さんなみ」という料理民宿を以前やっていて、日本中から食通のお客様がいらっしゃいました。私たちは「ふらっと」という名前で民宿をしていますが、親が守ってきた伝統や志は継いでいるつもりです。今や世界の料理界では発酵が最先端で、世界中からいろいろなシェフが発酵食や保存食を勉強しに来られます。そんな素晴らしい伝統の技術を、なんとか次の世代に渡していけたらいいなと思っています。

FLATT’Sふらっと

■ 住所/〒927-0443 石川県鳳珠郡能登町矢波27-26-3
■ TEL/0768-62-1900
■ 代表者/船下 智香子
■ 創業/平成9(1997)年
■ 業務内容/民宿業

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります