有限会社金装

粉塵の出ない床材めくり用加熱装置を発明
床工事で社会に貢献する現代の名工

金田正人さん［代表取締役会長］

内装床工事専門業では石川県で最初に創業

わが社は内装の床工事専門業では石川県でいち早く創業した会社です。この仕事を志したのは、交通事故の後遺症で左手が上がらなくなり、右手だけでできる仕事は何かと考え、床仕事ならできるのではと始めました。今では、長年にわたり培ってきた床工事の技術が国内の大手メーカーに認められ、インストラクターとして全国の床工事業者を指導するまでになりました。
平成24年に、床材をはがす画期的な機械を発明しました。名前は「めくれったー」です。特徴は、粉塵被害がほとんどなく、はがす際の音が従来とは比較にならないほど静かで、臭いも気になりません。この機械の誕生のきっかけは、ある日の夜中、あまりの胸の痛さに目が覚め病院で診てもらったところ、肺がアスベストで犯されたのが原因だと告げられました。ちょうど、息子が家業に従事した直後で、待望の孫も生まれ3代目が出来たと周りからも祝福されていた矢先だったので、受けたショックは大きかったです。
息子達には同じ病気はさせたくないと思い、「粉塵の出ない機械を作ってやる」と決め、石川県工業試験場に相談しながら研究を重ね、「めくれったー」を完成させました。おかげさまでこの技術が認められ、石川県から石川ブランドの認定をいただきました。

国内最大手の設計事務所に新たな工法の技術を認められる

「内装業者から粉塵被害ゼロを目指す」が当社（私）のモットーです。内装業者の粉塵被害をなくすることが、「めくれったー」を開発した最大の目的です。
もう一つの課題に、床貼り技術を駆使した院内感染防止を掲げていました。これについても試行錯誤を重ね、発想からの転換から新たな工法を確立しました。この院内感染防止の工法が広まるのであれば、私は無報酬で職人に伝えたいし、床工事業界に石川県の職人のレベルの高さを広く知ってほしいと思っています。嬉しいことにこの技術を国内最大手の設計事務所に認めてもらいました。
平成24年に国からこれまでの活動が認められ、卓越した技能者に贈られる「現代の名工」厚生労働大臣表彰を受賞しました。当社は「社会に貢献する」ことを理念としています。社員の幸せを願えば私も幸せになることができる。ものづくり＝人づくりだと思っています。親が子の幸せを願うのはどの世界でも当たり前で、それは会社経営にも繋がると思います。技術の基本を土台として新しい技術を確立していこうと思っています、これからも新しい技術を確立して社会に貢献できるよう頑張っていきます。