株式会社 竹田栄鉄工

NC旋盤およびマシニングセンタによる複合加工 多品種、少量から量産までニーズに対応

竹田 悟さん[代表取締役社長]


複合加工機導入で集約化 鉄加工全般に対応可能

工業機械や建設機械など、精密機械の一部となる部品の製造加工を行っています。注文書に基づき原料を自社で調達し、旋盤加工、マシニング加工をして、製品を納めるといった流れです。これまでこの業界は、旋盤だけ、あるいはフライス加工だけというように技術を専門特化させた各社が順に加工を進め、最終的に求められる様々な複雑な形状を作り上げていましたが、メーカーさん側は、納期やコストの面で可能な範囲での集約の道を常に探ります。
そこで、当社でも複合加工機の導入に踏み切りました。旋盤とマシニングの両方の機能を備えた複合加工機は、まず旋盤で丸い形を削り出した後、次は切削して穴を開けるなどの工程まで行えます。とはいえ、大きな会社さんならばともかく我々のような小規模クラスでは導入が難しく、まだまだ少ない。当社は部品加工全般が可能で、かつコストも納期も守れますという点が特徴です。一連の加工が自社内で行えることで、図面の変更や急な発注の場合でも納品スケジュールの見通しが立てやすくなっています。
精密度が高い部品の場合は、さらに焼き入れや研磨などの工程が入り、そこはまた別の職種が手掛けておられるのですが、加工全般ができる体制になり、以前よりも受注がしやすくなりました。アッセンブリの実績もあります。

精密度の高い付加価値分野で海外シフトの波に対抗

製造品のサイズは、当初の主力は需要や流通が最も大きい30Φ(30ミリ径)前後の小物でした。しかし、小さなものは数量が多い場合が多く、量産は海外に出てしまう傾向にあります。逆に大きなものは輸送コストから国内生産が求められるため、対応を徐々に広げ、200~300Φの大型部品も可能な設備を整えました。最近は100Φの前後を得意としています。
あとはやはり付加価値の高いものです。日本の工作機械は求められる精度がかなり高く、検査も厳しい。そういった「国内に残る分野をやろう」と力を入れてきました。部品は一般に、心臓部に近いものほど精密さが要求され、一旦組み立てたら外からは見えない最も奥のほうに使われます。二度と開けない場所だからこそ、より壊れず、かつ精度の高さをクリアしていなくてはいけない。機械化されているとはいえ、高度な加工はやはり人による熟練が左右するところです。
金沢のこの辺りは昔からものづくりが盛んな地です。「何か作るなら、金沢に投げればできてくる」という言い方がされたほど、いわゆる下請け網が発達し、総合力では全国的に評価が高かったようです。
父の代で創業した頃から比べると、当社も対応範囲が徐々に移り変わってきました。これからも市場の状況変化をにらみながら、要請に即応し、規模も少しずつ増やして着実に進んでいきたいと考えています。

株式会社 竹田栄鉄工

■ 住所/〒920-0348 石川県金沢市松村3-545-1
■ TEL/076-267-2713
■ 代表者/竹田 悟
■ 創業/昭和38(1963)年
■ 法人化/平成3(1991)年
■ 業務内容/精密機械加工(工業機械・建設機械・繊維機械)

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります