有限会社 みそまんじゅう本舗 竹内

できたての味を日々届け続ける代表銘菓 親しみやすさの裏で、こだわり尽くす

竹内 大希さん[代表取締役]


今朝の作りたてが午前中に届くエリアだけで展開

当社の企業理念は、あえて分かりやすい表現をとっています。「能登を代表する1番手」と目標に掲げる以上、お客さんの期待度も高い。製造現場では日々合格点以上なのはもちろん、昨日よりさらに良いものを目指して今も毎朝チェックし、話し合いを重ねます。たとえお客さんには分からないかすかな違いでも、常に厳しく上を目指します。そして、せっかく店に足を運んだ方にさすがと喜ばれる接客でお迎えしたい。
一番に守っているのが、作りたてのご提供です。そのため、新規出店をしばしばお声掛けいただくのですが広げません。例外的に対応している店を除き、午前中で配達可能なエリアのみが基本です。
私は二代目ですが、振り返ると製造も接客もすべて、お客さんの視点に立った経営をしてきたことがポイントでした。たとえば看板商品「みそまんじゅう」は白餡の素材となる豆がとりわけ大事ですが、農作物ですから価格が毎年変動します。一度、北海道の不作年に価格が高騰、他社が皆さんグレードを下げる中、業者さんが「これなら同じでしょう」と持ってきた豆も、最後の後味で風味がわずかに足りず、むしろ勝負に出て高価な良い豆を使いました。その1年間はとても苦しかったですが、食べたお客さんには差が伝わり、「やはり竹内」と後につながった年でした。

ベストを尽くしているからこそ お客様の評価がうれしい

私ね、「早く引退したい」っていつも言うんです。経験も大事ですが、「若い時に社長をしないとダメだ」と実感したからです。父が体調を崩して急いで事業継承した当時、周りを「考えが古いなぁ」と見渡したほうでした。洋菓子風の「しなもんど」が熊本の菓子博で大賞受賞した時は、「自信作なんだから日本一で当然」と生意気盛りでしたがその分勢いもあって、食べ比べてやっと感じる差のために大きな投資を決断した機械導入や、先程の豆の話も、果たして今なら同じように勝負できたかどうか。工場全面リニューアル、出店なども同様の大決断でした。
これからは、時代に乗って変えるべきもの、守り残すべきものの狭間で見極めが続きます。県民に耳馴染みのある親しみやすいCMは、大切な我が社の財産です。一方、市場に真空パックの冷凍ストック品が増え、エイジレスを入れない作りたてを毎日提供する姿勢を逆にサービスの悪さと間違われたり、即席のカスタードもどきが身近にあふれて手間暇かけて炊いた本物が「これ違う」と言われる時代が、もうすでに来ています。
それでも「経営に迷いはあるか」と問われれば、「無い」と答えます。考えられるベストを尽くしているからです。毎朝作りたてを出し、日々研究し、もうこれ以上なく全部やって悩む必要はありません。
手土産にうちの商品を選んだ方から「先方に喜んでもらえたよ」のお声を聞くのは最大の喜び。うれしいと思える商売を、これからも続けていきます。

有限会社 みそまんじゅう本舗 竹内

■ 住所/〒929-2121 石川県七尾市田鶴浜町を14
■ TEL/0767-68-2053
■ 代表者/竹内 大希
■ 創業/昭和43(1968)年
■ 法人化/昭和62(1987)年
■ 業務内容/能登名物・和菓子の製造、販売業

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります