株式会社森本石油

能登半島・穴水町にあるフルサービスが特徴の小さくても面白いガソリンスタンド

森本敬一さん［代表取締役］

能登の魅力を紹介する「道の駅」さながらのサービスステーション

昭和3（1928）年に創業し、曾祖父から私で4代目となります。能登半島穴水町の小さなフルサービスのガソリンスタンドで、天井から給油ホースが垂れ下がっている給油所は近頃では珍しく、石川県内でも10店舗程です。一般的な業務である給油、洗車、オイル交換、軽整備、車検、コーティングや、最近は新車販売もしております。店の売りは顧客に寄り添うスタイルのフルサービスです。約40年前には先代が厚切りトーストとゆで卵付きのモーニングコーヒーを提供していたのを子供心に覚えています。DNAを引き継いでしまったようで、夏には穴水特産の赤玉スイカを切ったり、冬にはお客さんから頂く大根でおでんを大量に作り無料で振る舞ったりすることもあります。また店舗内では、奥能登の事業者が開発した塩サイダーや伝統調味料のいしる、輪島塗、マリンランプ等の珍しい商品の紹介や販売をして「道の駅」のように能登の魅力を伝えています。
本当はガソリンスタンドを継ぐ予定はありませんでしたが、高校3年の時に父親が体調を崩し、「蛙の子は蛙だぞ」とポツリ。将来は事業を継いで欲しいと言われたような気がして覚悟を決めました。「それなら学生時代は好きなことをさせてもらおう」と思い、海外旅行経験もないのにアメリカに留学。外国人の来店時に突然の英語で対応すると、「何でしゃべれるの？」と驚かれます。

地域の人と人を結び付けて新しい商品の開発や販売を応援

ガソリンスタンドの経営以外に、地域の特産品を活かした食品加工の販売もしています。規格外の剥き身の牡蠣を使って「能登牡蠣チャウダー」や未活用の能登ワイン用ブドウの葉を発酵焙煎して「能登ブドウの葉茶」も開発しました。「勿体無い」を活かして地域の応援が出来たらと思います。フルサービスのガソリンスタンドは色んな人が訪れる頻度も高いので、出会いのチャンスもあるのが良いところです。
また、地域貢献の取組みとして私が代表をしている「チーム能登喰いしん坊」の活動が、農林水産省の全国的なコンクールの賞をダブル受賞しました。石川県内の食のイベントで「能登の食材」にこだわった屋台販売、珍しい食材の紹介や商品開発をしている点が評価されました。
従業員には「お客様には徹底して依怙贔屓（えこひいき）をしよう！」と言っています。スタッフそれぞれの持ち味を生かして、お客様の滞在時間内で出来る精一杯のおもてなしをするように心掛けています。
県内のログハウスメーカーとコラボしたショールームを計画しており、薪ストーブの展示も行いガソリンスタンドでありながらも心地良い空間を演出したいと思っています。また今後も色んなお客様とのコラボも続けていきたいです。もしかしたら今後は異業種の展開もあるかもしれません。今回、この紹介冊子に掲載されて多くの方が見られることで、一人でも沢山の方が当社に興味を持ってくれて、立ち寄って頂けたら面白いなと思っています。