革仕事のお店 tasola

オリジナル手づくり革小物を型から自作 ファンに育てられ、工房ギャラリーを開設

高畑 愛子さん[代表] 高畑 圭介さん


革の特性を独自に研究 フルオーダーでは提案製作

革製品は小物を中心にオリジナル製作しています。基本的にすべて一点もので、同じ品物はありません。型も自ら起こしています。フルオーダー受注を行う所は珍しいので、県外からもご注文をいただきますね。ブランドに飽きた方など、自分だけの品をご要望いただいています。製作日数は、長財布で4日程度、バッグなら約1ヶ月です。輪島塗を学んだ主人の技術で製作の幅が広がっています。価格は、私たち2人が作って卸も通さないのでとても安いです。しかもメンテナンスサポートもできるので価格以上を保証できます。
フルオーダーの場合、お客様に工房まで数回来ていただいたり、完成をイメージしやすいようペーパークラフト模型を作ってお見せする場合もあります。フルオーダーは電話やインターネットでは受けません。やはり革を直接見ないと分からない点があり、革の特徴も伝えにくいからです。それに、デザインのテイストを見定めるうえで、お客様の雰囲気も重要です。ネームや記念日の刻印も、すごく喜ばれます。
何もないところから作るので、デザインと機能を兼ね備え、ご要望をかたちにすることが毎回のチャレンジですね。革の種類や加工による違い、顔料とのマッチング、さらに、革が馴染んでいくにつれてどうなるかを研究し尽くしていなければなりません。奥が深く、いろんな技術も増えました。今でも難しいし、面白いです。作る過程も共有し、待つ時間も楽しんでくださるようなお客様に恵まれてきました。

iPhoneケースが契機 発信力で新たな出会いへ

今春、待望の工房兼ギャラリーショップを開設、名称も革工房aikoから革仕事のお店tasolaに改めました。ネーミングは、窓の外に広がる田んぼと大きな空から。米と同様、革製品も多くの手間で仕上げているという思いも込め、マークにも田のイメージをあしらいました。地元田鶴浜の田の字でもあります。今後ここから発信して仕事をしていくうえで、地域を意識していたいという思いがありました。
革の仕事を始めたきっかけは家族です。バイク好きの主人に丈夫な革小物を贈ろうとしたらずいぶん高価で、それなら自分で作ろうかと考えた時に、すべての物は誰かが作って作品になっていると気付き、手が震えました。背景には誰かがそれを作るまでのストーリーがある。その感動で、2日間泣き通しになりました。
その日から今日まで、多くのお客様の応援でやってこられました。iPhoneケースのインターネット発信を機に、県外にもファンができました。さらにギャラリーを構えたことで、作品の実物を気軽にご覧いただけるようになり、製作者直接販売の信頼感をベースに、ますます出会いが広がっています。田んぼの真ん中、能登のよさが伝わる空間になりました。時間を気にせずリラックスして、お気に入りの品の完成イメージをゆっくり思い描いていただいています。

革仕事のお店 tasola

■ 住所/〒929-2101 石川県七尾市川尻町へ8
■ TEL/0767-68-2401
■ 代表者/高畑 愛子
■ 創業/平成22(2010)年
■ 業務内容/お客様のオーダーに応じた革製品の制作・販売

※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります