株式会社 百笑の暮らし
能登の里山里海に魅了され東京から移住 お年寄りといろんな世代が暖炉を囲んでなごむ空間を作りたい
里山里海の恵みを料理に表現
能登には市場に出回らない細かな恵みがたくさんあるんですよ。里山には「サルナシ」というキウイの原種みたいのものや、「ナツハゼ」という和製ブルーベリーと言われる果物があり、それらの素材をソースにして「レアチーズケーキ」を新メニューとして出しています。能登ではそんなちっちゃな資源がたくさんあります。「茅葺庵 三井の里」では、能登の里山の食材をメインに素材の味が堪能でき、ほっとできる料理が味わえます。
主な事業はこうした茅葺庵のランチとカフェですが、この茅葺庵を拠点に地域全体を1つのホテルに見立てた「里山まるごとホテル」のコーディネートもしています。能登産オイルを使った「リラクセーション」や「農家民宿弥次」の宿泊案内、体験事業の受付などです。体験事業では、ガイド付きのサイクリングプログラムや仁行和紙の紙漉き体験が出来ます。
能登に移住するきっかけとなった地元のじいちゃんの言葉
大学3年生の時にゼミ合宿が輪島で行われ、集合場所がここ「茅葺庵」でした。夜行バスでへとへとになりながらたどり着いて、縁側から見えたのは黄金色の田園風景で、本当にくつろいで休みました。またある時、地元のじいちゃんから「都会ってお金が無いと何も出来ないよね。けどうちらは、里山があるから食べるものには困らない。だから貧乏でも人に優しく出来るんだよ」と言われ、里山から恵みを得られる、さらにそれを人にシェアできるコミュニティを持っている、そこの暮らしの豊かさがすごくいいなと思い移住したいと願うようになりました。
大学卒業後、移住した時に役立つスキルを修得したいと思って、まちづくりのコンサルタント会社に就職しました。その後、輪島市の地域おこし協力隊の制度を見つけてチャレンジし、商品プロデュース等を手掛けました。そんな中、茅葺庵の利用者が減少していることを知りました。私が能登を好きになる原点でもあり、自分の結婚式も挙げた、人生の節目に必ず関わる大切な場所「茅葺庵」を、自分の仕事場として再建しようと決意しました。ちょうど、一年間創業の準備期間があり、興能信金さんの経営を勉強する社長塾にも参加させてもらいました。
私の夢は、能登の里山の暮らしが10年後に、日本の豊かな暮らしの一つの基準になっているような、そんな社会を目指していくことです。ここの持っている暮らしの価値こそが、私が好きになった本質的な豊かさが詰まっている生き方だと思っています。また「里山まるごとホテル」が完成するように、一棟貸の宿や、プチ図書館等、ちょっとずつ機能を増やしていき、地域の人も高齢者も若者も入り混じった空間を作り、里山に関わることを楽しめる仲間を増やし、ここの景観や暮らしが持続的になっていくことを目指していきます。
株式会社 百笑の暮らし
■ 住所/〒929-2378 石川県輪島市三井町小泉漆原14-2
■ TEL/0768-26-1181
■ 代表者/山本 亮
■ 創業/平成30(2018)年
■ 業務内容/飲食業
※業務内容や商品等はねっとわーく発行時から変更されている可能性があります