地元で飲食店をすることで活性化に繋げたい

当店の創業は令和3（2021）年の4月です。生まれ育った地元の門前町に少しでも恩返しというか自分ができることをしたい、町に灯りをつけたいと思ったことが創業のきっかけです。縁側にお茶を飲みにくるイメージで気軽に利用してもらいたいので、「縁」というお店の名前に決めました。私自身は、もともと高校卒業してからこのお店を開くまでの28年間、門前町のビューサンセットという宿泊施設で調理師として勤めていました。創業する前年に、総持寺でプロジェクションマッピングのイベントがあり、ちょうどビューサンセットがこの場所を借りて料理を提供し、その時のお客様の反応が忘れられなくてこの場所でお店を出すことに決めました。

門前輪島の新鮮な魚を安全に提供する

うちの看板商品は門前で水揚げされた魚と輪島産のフグです。実は、輪島は全国のフグ漁獲量1位の常連。5年ほど前から少しずつ有名になってきましたが、輪島市がフグを推すという情報を聞いてからすぐにフグの資格を取りにいきました。少しでも市での消費を促したかったことと、資格を取れば自分のためにも、輪島のためにもなると思ったからです。多いときは年間8トンほどさばいたこともあります。数は少ないですが、お造り定食などには必ずフグを入れています。食べず嫌いの人でも、食べてみたらほとんどみなさんが美味しいと言ってくれますよ。ぜひ輪島のフグ食べに来てほしいです。

子供たちが戻ってきたいと思う環境づくり

従業員には10代20代の若い子がいます。せっかく地元が好きで残って何かの縁でうちに来てくれたのだから、アルバイトでもパートでも受け入れるようにしています。門前に残ってもやっていけるという自信をつけることで、社会にでても通用するし田舎に残っても楽しめる人になれるように教えています。自分の子供でも近所の子供でもそうですけど、若い子が1人でも2人でも門前に残るきっかけになればと思います。もちろん私自身も日々勉強していて、いろんな飲食店に行ったり経営者と話したりしています。「常に情報は自分の前を通りすぎていく」という大先輩から教わった言葉を軸に、この門前輪島の中で情報を上手にキャッチして、自分がこの地域の飲食店経営者としてやらなくてはいけないことを日々考えています。若い子が戻ってきたいと思う環境作りを第一優先に、これからもこのお店で門前輪島を楽しんでいただけるよう努力します。