お客様の身体のことを考え無添加でパンを作る

お店の創業は平成25（2013）年10月です。店名はそのまま「能登にあるパン屋さん」という意味で、地元の人にも覚えてもらいやすいですし、この時代みなさんネットで調べるので検索にヒットするように分かりやすい「能登パン」にしました。その名の通り、能登で採れた塩や野菜、果物などの地物をふんだんに取り入れてパンを作っております。またこだわりとして、安心して食べていただきたいという思いから、生地に添加物・保存料は使用しておりません。実際に地元のおばあちゃんたちが「ここのパンは胸焼けせんわ」と言って買いに来てくれます。こんな風に、なるべくお客様が喜ぶものを作って、地元に愛されるお店にしていきたいです。

アルバイトの経験が忘れられずにパンの道へ

もともとパン屋になるつもりは全くありませんでした。学校卒業後に地元を出て、大阪で洋裁の仕事に就いたのですが1年で辞め、石川県内で次の就職先が決まるまでの間、生活のためにアルバイトをしようとたどり着いたのがたまたまパン屋でした。最初は簡単な作業を一日中していましたが、結局次の就職時期も延びたので別の作業も教えてもらえるようになり、他の従業員と一緒に働けるようになりました。働いている人がみんな、独立を目指して頑張っているのを間近で見ていました。私はその後3年間くらいは違う仕事をして迷走しましたが、結局、私はパンを食べることも作ることも好きだということ、そしてパン屋さんでの経験が面白かったことを思い返し、やりたいと決意してようやくパンの道へ進むことになりました。独立を目指して24歳からの4年間、七尾のパン屋で修行を重ね、平成12（2000）年からは一緒にパン屋をしようと知人に誘われたのをきっかけにパン職人としての経験を積み、現在の「能登パン」の創業に至りました。

究極の能登パンをつくりたい

従業員は3人いますが、パン作りは全て私が1人でしています。従業員には、簡単な仕上げや接客を頼んでいますが、とにかくお客さんが一番だと思って仕事をするように伝えています。店を大きくしたいとは考えていませんが、いずれは能登で、材料から自分で手掛けたい、パンを作りたいという夢があります。材料から作ることで、究極の「能登パン」が出来上がります。地産地消で地元に愛されながら、県内外からもふらっと立ち寄ってもらえるようなパン屋を目指しています。